クラウドネイティブな製造業向けSaaS(Software as a Service)・PaaS(Platform as a Service)の市場が2022年に急拡大している。従来の高額なオンプレミス型システムから、月額課金のクラウドサービスへの移行が中堅・中小製造業にも波及し、製造DXの民主化が加速している。
製造業SaaS市場の主要プレイヤーと競争構図
シーメンスのXceleratorプラットフォーム、PTCのVuforiaおよびThingWorx、ロックウェル・オートメーションのFTOptixなどの製造業特化SaaSが競争を激化。日本勢ではオムロンのi-BELT、キーエンスのKV SaaS、スマートファクトリーソリューションとして日立のLumadaが国内市場でのシェアを拡大している。SaaS型の予知保全・品質管理・エネルギー管理ツールは、初期投資を最小化して導入できる点で中小製造業に特に人気が高い。
ノーコード・ローコードで現場主導のDXが加速
Appsheet(グーグル傘下)、Mendix(シーメンス傘下)、OutSystemsなどのローコード開発プラットフォームが製造業の業務アプリ開発に活用され始めた。IT部門ではなく製造現場のエンジニアや管理職が自らアプリを開発する「シチズンデベロッパー」モデルが製造業DXを底上げし、IT部門への依存を減らしながら業務課題解決を加速させている。
Harryの着眼点
SaaS化の波は製造業のDXコストと時間の壁を大きく低くした。「大企業じゃないとDXできない」という思い込みを、SaaSと補助金活用が打ち破りつつある。特にキーエンスやオムロンのような国内メーカーが製造現場に特化したSaaSを提供しているのは日本の強みだ。中小製造業の経営者には、月数万円から始められるSaaS型ツールの活用を積極的に検討してほしい。
出典:IDC「Worldwide Manufacturing IT Spending Guide 2022」、シーメンス「Xceleratorプラットフォーム」発表資料