3Dプリンティングの量産化時代――航空・医療・自動車で積層造形が主流技術へ

3Dプリンティング(積層造形・アディティブマニュファクチャリング)が2022年、製造業の主流技術としての地位を確立しつつある。航空・宇宙、医療機器、自動車部品の分野で量産適用が拡大し、デジタル製造の新たなパラダイムを切り拓いている。

航空・宇宙産業での3Dプリンティング量産化が加速

エアバスは機体部品の1,000点以上を3Dプリンティングで製造しており、2022年には金属積層造形部品の適用範囲をさらに拡大すると発表。GEアビエーションはCFRP製エンジン部品の3D印刷を量産化し、従来の削り出し加工と比べて重量を約25%削減しながらコストを40%低減した。宇宙分野ではロケットラボやスペースXがロケットエンジンの主要部品を3Dプリンティングで製造し、量産コストと開発時間の大幅短縮を実現している。

医療機器と自動車でのAM活用が新段階へ

個人の骨格データから最適な形状を3Dプリンティングする「カスタム整形外科インプラント」が欧米で本格普及。ストライカーやジンマーバイオメットが3D印刷インプラントの量産体制を整備した。自動車ではBMWが自動車部品の量産への積層造形適用を大幅に拡大し、ポルシェはリアアクスルカウルを3D印刷品に切り替えた。材料の多様化(樹脂・金属・セラミックス・複合材)と印刷速度の向上が普及の主要ドライバーとなっている。

Harryの着眼点

3Dプリンティングはもはや試作品・少量品だけの技術ではない。量産コスト競争力を持ち始め、かつてのNC加工が不可能だった複雑形状も自在に製造できる。「デジタルデータから直接モノを作る」製造業の新しいパラダイムは、受注生産・カスタム製品に強みを持つ日本の中小製造業に特に大きな機会を与えると確信している。

出典:GEアビエーション「Additive Manufacturing Report 2022」、エアバス「3Dプリンティング活用事例」、Wohlers Report 2022

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