製造業を狙ったランサムウェア攻撃が過去最多——脅威インテリジェンス活用で対抗

2022年、製造業は全産業の中でランサムウェア攻撃の最大ターゲットとなった。IBMの「X-Force Threat Intelligence Index 2023」によると、製造業への攻撃は2021年に初めて金融業を超え、2022年も首位を維持している。

なぜ製造業は狙われるのか——止められない工場の弱点

攻撃者が製造業を狙う理由は、生産停止の損失が甚大なため身代金支払い圧力が強いことだ。さらに多くの工場では旧世代の制御システムが稼働しており、セキュリティパッチを当てられないレガシー機器が格好の侵入口となっている。コロナ禍以降のリモートアクセス急増も攻撃面を広げた。2022年にはトヨタのサプライヤー・小島プレス工業がサイバー攻撃を受け、トヨタ国内全工場が1日稼働停止する事態も起きた。

脅威インテリジェンスとSOC強化で先手を打つ

対策の最前線は「脅威インテリジェンス(TI)」だ。世界中の攻撃情報をリアルタイムで収集・分析し、自社に関連するリスクを事前把握する。さらにSOC(セキュリティオペレーションセンター)を設置・強化してインシデント対応の迅速化を図ることが急務だ。中小製造業向けには、SOC機能をクラウドサービスとして利用できるMSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダー)の活用が現実的な解だ。

Harryの着眼点

トヨタのサプライヤーへの攻撃は、製造業サプライチェーン全体のセキュリティリスクを示す象徴的な事件でした。自社がどれだけ対策しても、弱いサプライヤー経由で攻撃される「サプライチェーン攻撃」への備えが重要です。製造業のサイバーセキュリティはもはや単独企業の問題ではなく、サプライチェーン全体で取り組む産業インフラの問題です。

出典:IBM「X-Force Threat Intelligence Index 2023」、経済産業省「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」ver3.0

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