人型ロボット(ヒューマノイド)の製造現場への投入が現実の話になってきた。テスラがOptimus(オプティマス)、Boston DynamicsがAtlasをそれぞれ発表・公開し、SF映画の世界が製造業に近づきつつある。
Teslaのロボット戦略——Optimusで工場作業を全自動化
イーロン・マスクは2021年にAIデーでヒューマノイドロボット「Tesla Bot(Optimus)」を発表し、2022年9月には歩行・物体把持ができるプロトタイプを公開した。製造ラインでの反復作業・危険作業・部品搬送などへの適用を目指しており、「1台2万ドル以下で製造可能」と主張している。FSD(完全自動運転)で培った自動車向けAI技術がロボットに応用される。
Boston Dynamicsのアトラス——動的バランスと器用さで現場進出
Boston DynamicsのAtlasは流体のような動きで倒立・跳躍・側転できるヒューマノイドで、2022年末には荷物の持ち上げ・積み付けタスクをこなす動画を公開した。同社のSpotはすでに工場点検・建設現場モニタリングで実用化されており、Atlasの製造現場展開も現実味を帯びてきた。現時点のコストと信頼性の課題が解消されれば、人間が行う危険・過酷作業を代替できる可能性がある。
Harryの着眼点
ヒューマノイドは製造ロボットの「究極形」ですが、現時点では研究開発段階の技術です。コボットが「人間の隣で働く」技術なら、ヒューマノイドは「人間の代わりに働く」技術であり、社会的インパクトは格段に大きい。製造業への実際の導入は5〜10年後でしょうが、この技術への投資と議論は今始めるべきです。人間とロボットの役割分担を社会全体で再設計する必要があります。
出典:Tesla「AI Day 2022 Optimus発表」2022年9月、Boston Dynamics「Atlas Update 2022」YouTube公開