2023年3月にOpenAIがGPT-4をリリースし、生成AIの能力が飛躍的に向上した。製造業でも品質報告書生成・設計補助・顧客サポート自動化への適用が本格化し、ビジネスモデルの変革が始まっている。
GPT-4のマルチモーダル能力が設計・品質管理を変える
GPT-4は文字だけでなく画像も入力できるマルチモーダルモデルで、製造業では設備の写真から故障原因を推定したり、図面の画像から部品リストを自動生成したりする活用が可能になった。シーメンスはCopilot(Microsoft/OpenAI)との統合を発表し、工場管理システムへの自然言語インターフェースを提供する計画を示した。
製造業向け生成AIの課題——機密データとハルシネーション
生成AIの製造業活用で最大の障壁は機密性と精度だ。設計図・製造ノウハウなどをパブリックなAIサービスに入力することへの懸念から、企業内に閉じた「プライベートLLM」の構築ニーズが急増している。AzureのプライベートOpenAIサービス・Amazonの「Amazon Bedrock」・国産LLMとして富士通・NTTが開発する独自大規模言語モデルが選択肢となる。
Harryの着眼点
生成AIは製造業に「インテリジェント・ファクトリー」をもたらす起爆剤です。ただし万能ではなく、使い方を誤ると誤情報が製造プロセスに混入するリスクがあります。「どの業務にAIを使い、どの業務を人間が担うか」を明確に定義した「AI活用ガバナンス」の確立が2023年の最重要課題だと思います。
出典:OpenAI「GPT-4 Technical Report」2023年、Microsoft「Copilot for Manufacturing」発表2023年