製造業を超え、都市全体をデジタルツイン化する「スマートシティDX」が世界で加速している。シンガポールが先行するVirtual Singapore構想は、都市計画・防災・交通最適化を仮想都市で実現する壮大な試みだ。
シンガポールVirtual Singapore——都市全体の3Dデジタルツイン
シンガポール国家地理院が主導するVirtual Singaporeは、建物・道路・地下インフラを含む都市全域を精度10cm以下の3Dモデルでデジタル化したプロジェクトだ。太陽光パネルの最適配置シミュレーション、洪水発生時の避難経路計算、5G基地局配置の電波シミュレーションなど、実際の都市改修前にデジタル空間で検証できる。ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCE」プラットフォームが基盤技術として採用されている。
日本でも国土のデジタルツイン化——Project PLATEAUが始動
国土交通省が推進する「Project PLATEAU」は日本全国の都市3Dモデルをオープンデータとして整備するプロジェクトだ。東京都・名古屋市・大阪市など主要都市の詳細3D地図が公開されており、防災シミュレーション・自動運転地図・不動産評価への活用が始まっている。製造業とも親和性が高く、工場用地選定・物流ルート最適化への活用も期待されている。
Harryの着眼点
デジタルツインの概念は工場から都市へ、そして国土全体へと拡張されています。日本のPLATEAUは非常に先進的な取り組みで、都市計画の民主化に貢献すると思います。製造業の観点では、都市デジタルツインと工場デジタルツインが接続されることで、物流最適化や都市型スマートファクトリーの実現が見えてきます。
出典:シンガポール国家地理院「Virtual Singapore Project Overview」、国土交通省「Project PLATEAU」公式サイト2022年