製品1点1点にデジタルIDを付与し、製造・物流・使用・廃棄のライフサイクル全体をデジタルで追跡する「製品デジタルツイン(Product Digital Twin)」が、品質追跡とカーボンフットプリント管理の切り札として注目されている。
QRコード・RFIDからNFC・ブロックチェーンへ——製品ID技術の進化
製品のデジタル追跡はバーコードから始まり、QRコード・RFID・NFC(近距離無線通信)へと進化してきた。さらにブロックチェーンを活用した改ざん不可能な製品情報の記録管理も始まっており、偽造品対策・リコール追跡・カーボンフットプリント証明に活用されている。欧州ではEU電池規制によりEVバッテリーの製造履歴・CO2排出量をデジタルパスポートで管理することが義務化される予定だ。
シーメンス・PTCが推進するProduct as a Service(PaaS)
製品デジタルツインの上に成り立つビジネスモデルが「製品のサービス化(PaaS)」だ。製造業が製品を「売り切り」でなく、稼働データを基にした保守サービス・性能保証サービスとして提供するモデルで、ロールス・ロイスのエンジン「Power by the Hour」が先駆事例だ。日本でもコマツが建機の稼働管理サービス「KOMTRAX」でこのモデルを実現しており、製品デジタルツインがその技術基盤になっている。
Harryの着眼点
製品デジタルツインは「モノを売る製造業」から「サービスを売る製造業」への転換の技術的基盤です。製品の使われ方データから改良のインサイトを得て、次世代製品に活かす——このデータドリブンのフィードバックループが製造業を根本から変えます。コマツのKOMTRAXは20年前から実践しており、日本製造業のデジタルツイン先進事例として世界に誇れます。
出典:Siemens「Product Digital Twin White Paper」2023年、コマツ「KOMTRAX活用事例レポート」2023年