線形経済(つくって使って捨てる)から循環型経済(使い続け、再生し、廃棄しない)への転換が製造業に求められている。2023年、欧州の規制強化とSDGs目標を背景に、製造業のサーキュラーエコノミー戦略の実装が加速した。
EUのエコデザイン規則が製造業のビジネスモデルを変える
2022年に提案された欧州のエコデザイン持続可能製品規則(ESPR)は2024年以降に順次発効し、製品設計段階から耐久性・修理可能性・リサイクル素材使用率を義務付ける。これはEUに製品を輸出する日本の製造業にも影響し、製品のライフサイクル設計の根本的見直しが必要だ。素材の再利用・部品の再製造(リマニュファクチャリング)・製品修理サービスの提供が競争力の要件になる。
コマツ・日立建機の建機リマニュファクチャリング——使用済み部品を新品同等に
コマツは「リマン」(リマニュファクチャリング)事業として、使用済みエンジン・油圧ポンプ・変速機などの主要部品を回収・再生・再販売する体制を世界規模で整備している。日立建機も同様のリマニュファクチャリング体制を持ち、部品再生コストは新品製造の30〜60%に抑えられる。これはCO2削減だけでなく、部品の価格競争力向上と希少資源使用量削減という経済的メリットも大きい。
Harryの着眼点
サーキュラーエコノミーは「環境のため」だけでなく「ビジネスのため」にも合理的です。資源価格が上昇し希少金属の調達が不安定化する中、使用済み製品から価値を回収するリマニュファクチャリングや材料リサイクルは、コスト競争力と資源安全保障の観点からも重要な戦略です。コマツの事例は日本製造業が取るべき手本だと思います。
出典:欧州委員会「エコデザイン持続可能製品規則(ESPR)」2022年、コマツ「リマニュファクチャリング事業報告」2023年