エネルギー価格高騰を受け、工場のエネルギー消費をリアルタイムで可視化・最適化するIoTシステムへの投資が急増している。スマートメーターによる電力・ガス・水道の使用量監視と、電力会社への需要応答(DR)参加でコスト削減と再エネ統合を同時に実現する。
スマートメーターとBEMSで工場エネルギーを見える化
工場に複数設置されるスマートメーター(計装器)のデータをIoTゲートウェイで収集・クラウド送信し、BEMS(ビル・工場エネルギー管理システム)のダッシュボードでリアルタイム監視する仕組みが標準化しつつある。圧縮空気漏れ・アイドリング電力・不要な照明など、これまで気づかなかったエネルギーロスが可視化されるだけで5〜10%の削減効果が出る事例が多い。
需要応答(DR)参加で工場が「電力調整市場」の主役に
電力需要が逼迫する時間帯に工場が電力消費を減らす「需要応答(DR)」の対価として電力会社から報酬を受け取る仕組みが日本でも拡大している。大手メーカーを中心にDR参加で年間数百万円〜数千万円の収入を得ているケースもある。太陽光発電・蓄電池・EV充電をスマートに制御してDRに参加する「バーチャルパワープラント(VPP)」構想も動き出している。
Harryの着眼点
工場のエネルギーは「コスト」から「資産」に変わりつつあります。DRやVPPへの参加により、消費するだけだったエネルギーが収益を生み出す可能性が出てきました。エネルギーのIoT管理は投資回収が比較的早く、ROIが見えやすい分野です。カーボンニュートラル対応としてだけでなく、経営効率改善のツールとして積極活用してほしいと思います。
出典:経済産業省「需要応答(DR)の活性化に向けた取組」2023年、東京電力エナジーパートナー「工場向けDRプログラム事例集」2023年