スタートアップと製造業の協業が加速——製造業CVC投資が過去最高を記録

製造業の大企業が自社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じてスタートアップに投資し、最新のデジタル技術・ビジネスモデルを取り込む動きが2023年に過去最高の投資規模を記録した。

製造業CVCが狙う領域——AI・ロボット・素材・カーボンテック

トヨタのTRI(Toyota Research Institute)・ソニーのSony Innovation Fund・パナソニックのGambit Ventures・住友商事のSumitomo Corporation Venturesなど、製造業大手のCVCは世界中のスタートアップに投資を広げている。特に生成AI・自律ロボット・新素材(バイオ素材・ペロブスカイト太陽電池)・カーボンテックの領域への投資が急増しており、M&Aの前段階としての位置付けが強まっている。

大企業とスタートアップの協業モデル——PoC地獄を超えて

製造業とスタートアップの協業ではPoC(概念実証)から本番導入に至らない「PoC地獄」が長年の課題だった。この克服のため、専任の事業化推進チーム設置、スタートアップへの生産ラインの試験提供、早期から法務・安全規格対応を支援する体制整備など、本番化率を高める仕組みを持つ製造業が増えている。

Harryの着眼点

製造業がスタートアップに投資することは、単なる財務投資ではなく「未来の自社を作る」行為だと思います。自社研究開発だけでは追いつけない技術革新のスピードに、外部のイノベーターとの協働で対抗する——これがオープンイノベーションの本質です。ただしPoC地獄に陥らないための社内改革が先決で、スタートアップを受け入れられる組織と文化がなければ投資は実を結びません。

出典:経済産業省「CVC活動調査2023年版」、スタートアップ育成5か年計画 2023年進捗報告

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