水素サプライチェーンの国際構築が加速——豪州・中東からのグリーン水素輸入実証

日本が主導する国際水素サプライチェーンの構築が2023年に重要なマイルストーンを迎えた。オーストラリア・中東からのグリーン水素・アンモニア輸入の実証が進み、2030年の商用化に向けた道筋が見えてきた。

日豪水素サプライチェーン実証——川崎重工が先行

川崎重工業は2022年にオーストラリアで製造した液化水素を日本に輸送する世界初の液化水素輸送船「すいそ ふろんてぃあ」による実証に成功した。2030年の商用化を目指し、輸送量を現在の比でない規模に拡大するための大型液化水素船の開発を進めている。岩谷産業との協業でタスマニア州の水力発電由来グリーン水素の輸入体制整備も加速している。

アンモニア混焼発電と水素還元製鉄で2030年代の脱炭素を実現

水素を輸送しやすいアンモニアに変換して輸入し、発電所で石炭との混焼に使う「アンモニア混焼」が日本の現実的な脱炭素策として注目される。JERAは碧南火力発電所でアンモニア20%混焼の実証を行い、CO2を相当程度削減できることを確認した。鉄鋼でも高炉での水素還元比率を高める「水素フラックス還元」技術の開発が日本製鉄で進んでいる。

Harryの着眼点

グリーン水素は現時点でコスト面でまだ課題がありますが、その方向性は正しいと思います。化石燃料への依存を減らし、再エネが豊富な国から水素・アンモニアの形でエネルギーを輸入できれば、エネルギー安全保障と脱炭素を同時に実現できます。日本の国土の特性から自給できる再エネには限界があり、「水素立国」は現実的な選択肢です。

出典:川崎重工業「液化水素サプライチェーン実証プロジェクト報告」2023年、JERA「碧南火力でのアンモニア混焼実証報告」2023年

コメントを残す