物理的な工場や製品をデジタル空間に完全再現する「デジタルツイン」技術が製造業のゲームチェンジャーとして注目を集めている。シーメンスやPTCなどが主導する市場は2026年に5兆円規模に達する見込みだ。
バーチャルファクトリーで設計から生産まで一元管理
デジタルツインの核心は「リアルとデジタルの同期」だ。センサーから取得したリアルタイムデータを基にデジタル空間の工場モデルを常時更新し、生産ラインの最適化・故障予測・新製品の仮想検証などをデジタル空間で行う。BMWはデジタルツインを活用し、新工場のレイアウト設計から稼働開始までの期間を30%短縮したと発表した。
日本メーカーも本格導入へ——三菱電機・ダッソーの連携事例
国内では三菱電機がダッソー・システムズと組んでデジタルツインプラットフォームを構築し、FAシステムの全工程を仮想空間で検証できる体制を整えた。また、富士通はデジタルツインと量子コンピューティングを組み合わせた工場最適化ソリューションを発表している。中小製造業向けには、クラウドベースの低コストデジタルツインサービスの提供も始まっている。
Harryの着眼点
デジタルツインは単なる3Dシミュレーションではなく、「生きているデータ」と連動した工場の分身です。試行錯誤をデジタル空間でできるため、現場での手戻りが激減します。日本の製造業はこの技術で「すり合わせ型ものづくり」のDXを実現できると確信しています。初期投資の壁を下げるクラウドサービスの普及が鍵です。
出典:Siemens AG「Digital Twin Report 2022」、三菱電機株式会社プレスリリース2022年