Scope3排出量の開示義務化が製造業サプライチェーンを変える

自社の直接排出(Scope1)と購入電力由来(Scope2)に加え、サプライチェーン全体の排出量(Scope3)の開示を義務化する動きが世界で加速している。製造業はサプライヤーのCO2削減まで責任を持つ時代に入った。

SEC・EU・日本でScope3開示義務化の波

米国証券取引委員会(SEC)は2022年3月、上場企業へのScope1〜3排出量開示を義務付けるルール案を提示した。EUはサステナビリティ報告指令(CSRD)で2025年から大企業に詳細な開示を義務付け、2026年以降は中堅企業にも拡大する。日本でも金融庁が有価証券報告書へのScope3開示を検討中で、プライム市場上場企業を中心に対応が急務となっている。

サプライヤーのCO2把握が製造業の新たな責務に

Scope3の計算・開示には全サプライヤーの排出量データ収集が必要で、これが製造業にとって最大の実務課題だ。素材・部品を供給する中小サプライヤーまで排出量算定能力を持てるよう、大手メーカーが支援する動きも広がっている。クラウドベースのScope3算定SaaSも急成長しており、CO2排出量のデジタル管理が当たり前になりつつある。

Harryの着眼点

Scope3開示義務化は製造業のサプライチェーンに「カーボン管理」という新たな要件を加えます。これはコンプライアンス上の負担であると同時に、サプライチェーンを本質的に見直す機会でもあります。排出量の少ないサプライヤーを優先的に選択することが競争力になる時代——カーボンが新たな「コスト」の軸になりつつあります。

出典:米SEC「気候変動開示規則案」2022年、欧州委員会「CSRD指令」2022年

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