AR(拡張現実)が変える工場の保守点検作業――熟練技術者不足を補う切り札

少子高齢化に伴う熟練技術者不足が深刻化する日本の製造業で、AR(拡張現実)ヘッドセットを使った作業支援システムが注目を集めている。経験の浅いスタッフが現場で熟練技術者と同等の保守作業を行える環境が整いつつある。

ARが保守作業を変える仕組み

スマートグラス型のARデバイスを装着すると、目の前の設備に点検手順がオーバーレイ表示される。遠隔にいる熟練技術者がリアルタイムで映像を確認しながら音声・映像で指示を出す「リモートエキスパート」機能を組み合わせれば、出張対応コストも大幅削減できる。

コニカミノルタとPTCの協業事例

コニカミノルタはPTCの「Vuforia Chalk」を採用し、複合機のサービスエンジニア向けにAR遠隔支援を展開。現地対応時間が平均40%短縮され、初回解決率が25%向上したと報告されている。製造業のサービス部門でのAR活用が本格化している。

Harryの着眼点

ARが最も力を発揮するのは「知識移転の加速」だ。熟練者のノウハウを手順書に書き起こすのに数ヶ月かかることが、AR録画でほぼリアルタイムにデジタル化できる。定年退職前の技術者に「AR版教科書」を作ってもらう取り組みを始める企業が増えてほしい。

出典:PTC「Industrial AR Adoption Report 2020」、コニカミノルタ社プレスリリース

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