気候変動対策の観点から、製造業に対するカーボンニュートラル要求が急速に高まっている。欧州では2021年から炭素国境調整メカニズム(CBAM)の検討が始まり、日本の輸出企業にも無縁ではない。
Scope 3排出量の把握が急務
製造業の温室効果ガス排出のうち、サプライチェーン全体(Scope 3)が大半を占める。しかし多くの企業は自社工場(Scope 1・2)の排出量しか把握できていない。IoTとクラウドを活用したScope 3の可視化ツールへの需要が急増している。
再エネ電力と工場DXの相乗効果
再生可能エネルギー比率向上とエネルギー効率改善を同時に実現するには、AIによる工場エネルギー最適化が有効だ。パナソニックは自社工場で太陽光発電のAI出力予測と製造ラインの需要シフトを組み合わせ、電力コストを15%削減した事例を公表している。
Harryの着眼点
カーボンニュートラルは「コスト」でなく「差別化」と捉えるべきだ。欧州のBMWやボルボが既に部品調達先にCO2削減を要求し始めている。日本のサプライヤーが脱炭素対応を遅らせれば、調達先から外されるリスクがある。DX(デジタル)とGX(グリーン)を同時に進める経営判断が求められる。
出典:環境省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」(2020年版)