電気自動車(EV)の急速な普及に伴い、使用済みリチウムイオン電池のリサイクル・再利用市場が急成長している。2030年には世界のEV廃バッテリー市場が3兆円超に達するとの予測があり、製造業の新たなビジネスチャンスとなっている。
廃バッテリーのコバルト・リチウム回収が資源安保の鍵に
リチウムイオン電池にはリチウム・コバルト・ニッケルなどの希少資源が含まれ、その回収・再精製は資源安全保障の観点から急務だ。住友金属鉱山・JX金属・トヨタグループのプライムプラネットエナジー&ソリューションズが廃バッテリーのリサイクル体制整備を急いでいる。欧州ではEUバッテリー規制でリサイクル素材の含有率義務化が決定しており、バッテリーのサプライチェーン全体の脱炭素化が求められる。
二次利用(Second Life)でバッテリーの価値を延命
EV搭載後の残存容量が低下したバッテリーを廃棄せず、太陽光発電の蓄電システム・工場のUPS(無停電電源装置)・家庭用蓄電池として「第二の人生(Second Life)」を与える取り組みも拡大している。日産は初代リーフのバッテリーをリパーパスした工場向け蓄電システムを商品化した。このビジネスモデルはサーキュラーエコノミーの実践例として世界から注目されている。
Harryの着眼点
バッテリーリサイクルはEV時代の「錬金術」になり得ます。資源を輸入に依存する日本にとって、製品内に眠る希少金属を国内でリサイクルする「都市鉱山」の活用は重要な戦略です。技術的な課題はまだありますが、ビジネスモデルの魅力は明確で、製造業の次のビジネスフロンティアとして日本が世界をリードできる分野だと思います。
出典:経済産業省「蓄電池産業戦略」2022年、日産自動車「EV廃バッテリー再利用プレスリリース」2022年