製造業OTセキュリティの危機――IT-OT融合時代のサイバー防衛戦略

2021年5月のコロニアル・パイプラインへのランサムウェア攻撃、そして食肉大手JBSへの攻撃は、製造業と重要インフラのOT(オペレーショナル・テクノロジー)セキュリティの脆弱性を世界に知らしめた。IT・OT融合が進む産業現場では、従来のITセキュリティとは異なるアプローチが求められている。

製造業OTへのサイバー攻撃が急増する理由

クラリティの調査によると、2021年上半期に製造業を標的としたサイバー攻撃は前年同期比で64%増加。スマートファクトリー化によりIT-OTが接続されたことで、工場制御システム(ICS/SCADA)がインターネット経由での攻撃に晒されるリスクが急増した。ランサムウェア攻撃により生産ラインを止められた場合、1分間の損失が数百万円に上る製造業では、攻撃者の恰好の標的となっている。

産業用サイバーセキュリティフレームワークの整備

米国国立標準技術研究所(NIST)がOT向けのサイバーセキュリティフレームワークを改訂。クラロティ、ドラゴスなどのOTセキュリティ専門企業が急成長し、2021年に数百億円規模の大型調達を相次いで実施した。日本でもIPAが「制御システムのセキュリティリスク分析ガイド」を更新し、製造業のゼロトラストアーキテクチャ導入支援を強化している。

Harryの着眼点

OTセキュリティは「止めない」ことが最優先の製造現場の特性を理解した専門的アプローチが必要だ。ITセキュリティのパッチ適用を定期的に行うような考え方は工場制御システムには通用しない。レガシーシステムと新しいIIoT機器が混在する製造現場に適したセキュリティアーキテクチャの設計と、インシデント発生時の対応訓練の実施が急務だと強く感じている。

出典:クラロティ「2021年上半期OTセキュリティレポート」、IPA「制御システムのセキュリティリスク分析ガイド 第2版」(2021年)

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