製造業DXの壁——レガシーシステム刷新とデータ連携が最大の課題

日本の製造業でDXが叫ばれて久しいが、経済産業省の調査では依然として約8割の企業がDXを「検討段階」にとどまっており、実装に至らない原因の筆頭に「レガシーシステム」が挙げられている。

2025年の崖——レガシーシステム刷新の緊急性

経済産業省が2018年に警告した「2025年の崖」問題はいよいよ現実となりつつある。老朽化した基幹システム(ERP)の刷新コストは膨大で、かつシステムに業務プロセスが依存しているため変更が困難だ。多くの製造業が個別最適で導入したシステムが乱立し、データが孤立した「サイロ」状態になっている。この状態ではIoTやAIを活用しようにも、データを統合・活用できない。

データプラットフォームとAPIによる連携が解決策

解決策として注目されるのが「データプラットフォーム」の構築だ。既存システムを無理に刷新せず、APIを介してデータを集約・標準化するミドルウェア層を設ける。富士通・NEC・SAPなどがこの分野のソリューションを提供しており、段階的なシステム刷新と並行してDXを進める「二段階戦略」が有効とされている。

Harryの着眼点

DXは技術の問題よりも組織・文化の問題だとよく言われますが、日本の製造業でより切実なのは「古いシステムを動かし続けることで精一杯で新技術を試す余力がない」という問題です。攻めのDX投資のためにも守りのIT保守コスト削減が急務——この二つを同時に実現するのがデータプラットフォーム戦略の本質だと思います。

出典:経済産業省「DXレポート2.2」2022年、IDC Japan調査レポート2022年

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