従来のシリコン系太陽電池を超える変換効率と低コスト製造の可能性を持つ「ペロブスカイト太陽電池」の実用化が近づいている。日本の研究機関・企業が世界をリードしており、製造業の再エネ調達を変える可能性がある。
ペロブスカイト太陽電池の革命的な特性
ペロブスカイト型太陽電池はシリコン型と比べ、軽量・フレキシブル(曲げられる)・低コスト製造(印刷プロセスで製造可能)・室内光でも発電できるという優れた特性を持つ。変換効率はすでに25%超を達成しており、シリコン型に匹敵する水準に達した。建物の壁面・工場の曲面屋根・電子機器への組み込みなど、従来の太陽電池では不可能だった場所への設置が可能になる。
積水化学・パナソニックが量産化に向けて先行投資
国内では積水化学工業が2025年のペロブスカイト太陽電池量産を目指して建設した試験製造ラインで変換効率15.2%(フィルム型として世界最高水準)を達成した。パナソニックもHIT型太陽電池との組み合わせで効率向上を狙う「タンデム型」の開発を進めている。経済産業省のグリーンイノベーション基金が研究開発を支援しており、2030年頃の本格普及が視野に入ってきた。
Harryの着眼点
ペロブスカイト太陽電池は日本が世界をリードできる数少ない最先端素材技術の一つです。シリコン太陽電池では中国メーカーに圧倒されましたが、ペロブスカイトでは印刷プロセスの知見を持つ日本の化学・電機メーカーが強みを発揮できます。製造業の工場屋根・壁面への設置拡大で再エネ自給率を高める切り札として育ててほしい技術です。
出典:積水化学工業「ペロブスカイト太陽電池開発状況」2023年、NEDO「太陽光発電ロードマップ(PV2030+)」