スマート物流と可視化革命――コロナ禍のサプライチェーン危機をデジタルで乗り越える

新型コロナウイルスによるサプライチェーンの混乱が続く中、2021年後半に入り物流の可視化とスマート化への投資が世界規模で急増した。港湾混雑、コンテナ不足、運賃高騰といった複合的な危機に対応するため、AIとIoTを活用した次世代物流システムの導入が加速している。

港湾・物流のデジタル化で危機を乗り越える

シンガポール港や上海港では、AIによるコンテナ配置最適化システムが本格稼働し始め、荷役効率を最大30%向上させた。アマゾンの物流センターでは、ロボットとAIの連携により1日の出荷処理能力が従来比2倍以上に向上。フェデックスやDHLも配送ルート最適化AIを全面展開し、燃料消費量と配送時間の同時削減を実現している。ブロックチェーンを活用した書類電子化により、国際貿易における書類処理コストを80%削減した事例も登場した。

リアルタイム可視化が変えるサプライチェーン管理

SAP、Oracle、マイクロソフトなどの大手ERPベンダーが一斉にサプライチェーン可視化プラットフォームを強化。製造業のサプライヤー多段階管理が困難だった課題に対し、IoTセンサーと衛星データを組み合わせた「エンドツーエンド可視化」ソリューションが普及しつつある。自動車メーカーを中心に、半導体調達リスクをリアルタイムで把握するシステム投資が急増した。

Harryの着眼点

コロナ禍のサプライチェーン危機は、多くの企業に「見えないリスク」の怖さを痛感させた。今後はデジタル可視化とAIによる需要予測を組み合わせた「レジリエントなサプライチェーン」の構築が必須となる。日本企業も自動車産業の半導体ショックを教訓に、サプライチェーンのデジタル化投資を加速すべきタイミングだ。

出典:Gartner「2021年サプライチェーン・テクノロジートレンド」レポート、ロジスティクス業界各社発表資料

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