2023年版ものづくり白書は、スマートファクトリーの整備状況を評価する「ものづくり日本大賞」制度との連携を深め、デジタル化の進度を5段階で評価する「スマートファクトリー認定制度」の創設を提言した。
スマートファクトリー5段階評価モデルとは
経済産業省が提案する評価モデルはレベル0(紙・アナログ中心)からレベル4(AIによる自律最適化)の5段階を設定する。現状の日本製造業の多くはレベル1〜2(一部デジタル化・部分的なシステム連携)にとどまっており、レベル3(工場全体のデータ統合)以上を目指す取り組みを支援する。補助金・税制優遇との連動により、中小製造業のスマートファクトリー化を後押しする狙いがある。
成功事例——旭鉄工がレベル4を達成した工場改革
愛知県の自動車部品メーカー旭鉄工は自社開発のIoTシステム「i-Smart Technologies」で全設備のリアルタイム稼働データを可視化・分析し、生産性を約3倍に向上させた。このシステムは「karoshi(過労死)」防止にも貢献したとして海外でも注目を集め、現在は他社へのシステム提供(サービタイゼーション)に発展している。中小製造業でもやる気と正しいアプローチがあればレベル4が達成できることを示した好例だ。
Harryの着眼点
スマートファクトリーの「ものさし」ができることは重要です。漠然とDXと言われても何をすればいいかわからなかった中小製造業が、評価モデルに照らして「自分たちは今どこにいてどこへ向かうべきか」が明確になります。旭鉄工のような成功例を広く共有し、「中小でもできる」という意識の転換を促すことが、日本のスマートファクトリー普及の鍵です。
出典:経済産業省「2023年版ものづくり白書」、旭鉄工株式会社「i-Smart Technologies事業報告」2023年