製造データの価値化——OT/ITデータ統合でサプライチェーン全体の可視性を実現

製造現場(OT)のデータと企業情報システム(IT)のデータを統合し、サプライチェーン全体をリアルタイムで可視化する「OT/ITデータ統合」が製造業DXの中核テーマになっている。SAP・SAS・SnowflakeなどのデータプラットフォームとOTシステムの連携が本格化している。

OTデータとITデータの壁を越える——Purdue Modelから脱却

従来の製造ITアーキテクチャはPurdue Model(制御・監視・企業システムを階層分離)を採用しており、制御系(OT)と業務系(IT)の間に大きなデータの壁があった。IIoTとクラウドの普及によりこの壁を崩し、生産実績・品質データ・設備稼働率をERPやSCMと直接連携させる動きが加速している。リアルタイムの生産実績データが受発注・在庫・配送計画に即座に反映される「垂直統合」が実現しつつある。

Snowflake「製造データクラウド」が注目——データシェアリング機能が鍵

クラウドデータウェアハウスの雄Snowflakeは「Manufacturing Data Cloud」を展開し、製造業固有のデータスキーマとサプライヤーとのセキュアなデータシェアリング機能を提供する。バイヤーとサプライヤーが同じデータを安全に共有することで、需要変動の迅速な伝達・品質問題の即時共有・在庫の最適化が可能になる。欧米の大手自動車・電子機器メーカーでの採用が進んでいる。

Harryの着眼点

製造業のデータ活用は「社内のデータを使う」から「サプライチェーン全体でデータを共有する」フェーズに移行しています。データシェアリングのセキュリティと競合他社との情報管理の境界線設計は繊細な問題ですが、「見えない在庫・品質問題・需要変動」でサプライチェーンが毀損するコストの方がはるかに大きいと思います。

出典:Snowflake「Manufacturing Data Cloud Overview」2023年、IDC Japan「製造業データ統合市場予測2023」

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