多くの製造業企業が数百億円をかけてデータレイクを構築したにもかかわらず、「データの墓場」と化しているケースが後を絶たない。2024年、新たなアーキテクチャ「データメッシュ」が処方箋として注目されている。
データレイクが機能しない理由と製造業の現実
Gartnerの2024年調査では、製造業のデータレイク構築企業の67%が「期待した価値を生み出せていない」と回答した。主因は「中央集権的なデータ管理体制がボトルネックになる」こと。生産ラインのデータはIT部門に送られ、分析可能になるまで平均3週間かかるという企業も珍しくない。現場で起きた異常の分析が3週間後では、改善に活かせない。
データメッシュが製造業データ活用を変える
データメッシュは「データは生成された場所で管理・提供される」という分散型アーキテクチャだ。製造現場、品質部門、サプライチェーン部門がそれぞれ自分たちのデータを「データプロダクト」として管理し、社内に公開する。Amazonの製造部門では、データメッシュ導入により分析レポート作成時間が平均21日から4時間に短縮された。日本ではコニカミノルタとNRIが共同で製造業向けデータメッシュ基盤を開発中だ。
Harryの着眼点
「データを集めること」に終始してきた製造業のDXが、ようやく「データを使うこと」にシフトしています。データメッシュはその転換を支えるアーキテクチャです。重要なのは技術ではなく「組織がデータオーナーシップを持つ」という意識の変革。データは現場のものであり、現場が使いやすい形で管理すべきという哲学が、データメッシュの本質だと私は理解しています。
出典:Gartner「Data Management Survey for Manufacturing 2024」/ コニカミノルタ・NRI「製造業データメッシュ基盤」開発発表2024年