米インテルは2022年1月、オハイオ州に最大200億ドル(約2.6兆円)規模の最先端半導体製造拠点を建設すると発表した。バイデン政権の半導体産業支援政策「CHIPS法」と連動した米国半導体国産化の動きが加速している。
CHIPS法成立で米国半導体産業に官民で100兆円超の投資
2022年8月に成立したCHIPS・科学法(CHIPS Act)は半導体製造・研究への527億ドルの補助金を措置した。これを受けてインテルに加え、TSMCもアリゾナ州に120億ドルの工場建設を発表、サムスン電子もテキサス州への170億ドル投資を表明した。米国の「半導体回帰」戦略は単なる補助金政策を超えた国家安全保障上の取り組みとなっている。
日本も半導体戦略を加速——TSMCの熊本工場建設
日本でも半導体の国内生産体制強化が急務となり、TSMCが熊本県に最先端工場を建設することが決定した。日本政府は最大4760億円の補助金を拠出し、ソニー・デンソーが合弁パートナーとして参画する。Rapidusも北海道千歳市に2nm世代半導体工場の建設を表明し、2020年代後半の量産開始を目指している。
Harryの着眼点
半導体は現代の「産業の米」です。その製造拠点を特定国・地域に依存することへの危機感が、米国のCHIPS法と日本の半導体戦略を動かしました。しかし巨額投資で工場は建てられても、それを動かす高度技術者の育成は一朝一夕にはいきません。製造拠点の分散化と並行した人材育成戦略が、各国半導体戦略の成否を決めると思います。
出典:米商務省「CHIPS Act 実施計画」2022年、経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」2022年改訂版