EV革命とバッテリーサプライチェーン――電気自動車シフトが変える産業の構造

2021年、電気自動車(EV)の普及が世界的に加速し、自動車産業のパラダイムシフトが決定的になった。フォルクスワーゲン、GM、フォードなどの従来型自動車メーカーが相次いでEV一本化の方針を表明し、2030年代にはガソリン車の製造を実質終了する計画を打ち出した。この転換は自動車部品サプライチェーン全体に根本的な変革を迫っている。

EV化が自動車産業に与える構造変化

VWがEVシフト加速計画「アクセラレート」を発表し、2030年までに欧州販売の70%をEVにする目標を設定。GMは2035年までにすべての乗用車・SUVをゼロエミッション車にすると宣言し、数兆円規模のEV投資計画を公表した。テスラの世界販売台数が年間90万台を突破し、株式時価総額が1兆ドルを超えたことで、EV専業メーカーが自動車産業のゲームチェンジャーであることが証明された。

バッテリーサプライチェーンの確保が最重要課題に

EV用リチウムイオン電池の需要急増により、コバルト・リチウム・ニッケルなどのレアメタルの確保が自動車メーカーの最重要課題に浮上。パナソニックとトヨタが全固体電池の実用化を2030年代に目指すと発表、CATLやSKイノベーションなどの韓中電池メーカーも欧米での工場建設を加速させた。電池リサイクルのデジタル管理システムも注目を集め、バッテリーの「デジタルパスポート」構想がEU主導で検討を開始した。

Harryの着眼点

EV革命は自動車産業だけでなく、エネルギー、電力インフラ、都市設計まで変える巨大なドミノ倒しだ。日本の自動車産業はサプライヤー数が多く変革の痛みも大きいが、この波から逃げることはできない。全固体電池での巻き返しをかけるトヨタの挑戦を世界が注目している。産業界のリーダーとして、バッテリーサプライチェーンのデジタル管理と資源の持続可能な調達体制の構築を急ぐべき時だ。

出典:Volkswagen「Accelerate Strategy」発表(2021年)、IEA「Global EV Outlook 2021」、テスラ2021年度決算報告

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