OpenAIが2022年11月にリリースしたChatGPTは公開5日で100万ユーザーを突破し、産業界でも急速に注目が高まった。製造業での活用可能性を探る動きが日本でも広がっている。
ChatGPTが製造業で使える領域——マニュアル作成・コード生成・顧客対応
ChatGPTの強みは自然な文章の生成と理解だ。製造業では設備マニュアルの翻訳・要約・FAQ化、生産管理システムのコード生成・デバッグ、品質不具合の原因分析レポート作成、サポートセンターでの顧客対応など幅広い用途が検討されている。特に多言語対応が必要なグローバル製造業では、技術文書の自動翻訳・ローカライズの効率化に期待が集まっている。
課題は「ハルシネーション」と機密データ漏洩リスク
一方でChatGPTには重大な課題がある。AIが事実でない情報を自信満々に生成する「ハルシネーション(幻覚)」は、製造業の精密な技術文書では致命的なミスを招きかねない。また、設計図・製造ノウハウなどの機密情報をChatGPTに入力することによる情報漏洩リスクも深刻だ。日本でも複数の大手企業がChatGPT業務利用を制限する規程を設けている。
Harryの着眼点
ChatGPTの登場は製造業のDXに新たな局面をもたらしました。ただし「使えるから使う」ではなく、用途に応じたリスク評価と社内ガイドラインの整備が不可欠です。機密情報を扱う自社専用の生成AIシステム(オンプレミスまたはプライベートクラウド)の構築が、製造業のAI活用の本命になると私は見ています。
出典:OpenAI社「ChatGPT技術仕様」2022年、経済産業省「AI利活用ガイドライン」2023年改訂版