コロナ禍で多品種少量生産への対応が加速する中、協働ロボット(コボット)市場が急成長している。ユニバーサルロボット、ABB、ファナック、安川電機などが相次いで新型コボットを投入し、中小製造業でも手の届く価格帯での導入が進んでいる。人手不足解消と生産柔軟性向上の両面から、コボット需要は爆発的に拡大した。
コボット市場の急成長と中小製造業への波及
コボット市場は2021年に前年比40%超の成長率を記録し、全世界の出荷台数が40万台を超えた。従来100万円以上だった導入コストが50万円以下にまで下がり始め、中小製造業での採用事例が急増。ユニバーサルロボットの最新機種は最大30kgの可搬重量に対応し、食品・包装・組立など多様な用途への対応力を高めた。日本ではNEDOの補助金事業が普及を後押しし、コボット導入補助金の申請件数が過去最高を更新した。
柔軟生産システムとAMR(自律移動ロボット)の融合
コボットと自律移動ロボット(AMR)を組み合わせた「モバイルマニピュレーター」が登場し、工場内の搬送と組立作業を単一ロボットが担う新しいコンセプトが注目を集めた。オムロンのモバイルロボット「LD」シリーズとコボットの連携システムは半導体・電子機器工場で採用が進む。また、ノーコード・ローコードでコボットを設定できるプログラミングツールの進化により、非エンジニアでも現場レベルでの設定変更が可能になった。
Harryの着眼点
コボットは「完全自動化」と「完全手作業」の間を埋める最もリアルなソリューションだ。製造業のデジタル変革は大企業だけの話ではなく、コボットの普及により中小製造業もその恩恵を受けられる時代になった。ノーコードプログラミングとの組み合わせで、現場の作業者自身がロボットを管理・改善できるエンパワーメントが実現しつつある点を特に注目している。
出典:Universal Robots「Collaborative Robot Market Report 2021」、NEDO「2021年度ロボット導入実証事業」