食品製造は形状・重量・柔らかさがバラバラな製品を扱うため、従来はロボット導入が難しい分野とされてきた。しかしAI画像認識とソフトグリッパー技術の進化により、食品製造ラインへのロボット活用が急速に拡大している。
ソフトグリッパーとAIで「まぐろの盛り付け」まで自動化
空気圧や電気駆動で変形する「ソフトグリッパー」は、柔らかい食品を傷めずに把持できる。AI画像認識でランダムに置かれた寿司ネタ・唐揚げ・野菜を識別して最適な把持角度を自動算出し、盛り付け・包装・箱詰めを自動化するシステムが登場している。国内ではカゴメ・日清食品・江崎グリコが食品製造ラインへのロボット導入を進めており、人手不足対応と衛生管理強化を同時に実現している。
3Dビジョンシステムで「ビンピッキング」の精度が飛躍
ランダムに積まれた部品や食材を認識して取り出す「ビンピッキング」はロボットの難問だったが、3D点群データを活用したAI画像処理で精度が飛躍的に向上した。ファナック・川崎重工・三菱電機が3Dビジョン統合型ロボットシステムを食品・物流・製造業向けに展開しており、ビンピッキング成功率99%以上を達成している。
Harryの着眼点
食品製造へのロボット導入は「最後のフロンティア」と言われてきましたが、AIと柔軟把持技術の組み合わせでついに扉が開きました。食品業界は人手不足・衛生管理・多品種少量生産という三重苦を抱えています。ロボットはこれを一気に解決できる技術であり、特に深夜・早朝の作業環境改善という人道的な意義も大きいと思います。
出典:日本ロボット工業会「食品製造ロボット市場調査2023」、ファナック株式会社「食品向けロボティクスソリューション」2023年