産業メタバースとXR革命――バーチャル空間が製造・建設の現場を変える

2021年10月、フェイスブックが社名を「Meta」に変更し、メタバース構築への本格参入を宣言した。この動きは産業界にも波及し、製造業・建設業における産業用XR(AR/VR/MR)の活用が新たな段階に入ろうとしている。バーチャル空間での協業、訓練、設計レビューが現実のものとなりつつある。

産業メタバースが変える製造業の設計と訓練

マイクロソフトのメッシュ(Mesh)プラットフォームとホロレンズ2の組み合わせにより、複数拠点の技術者が同一の3Dデジタルツインを共有しながらリモートコラボレーションできる環境が実用化された。フォードはVRを活用した車両設計レビューで、物理モデル作成コストを約25%削減。ボーイングは航空機整備士の訓練にARを導入し、訓練時間を最大40%短縮しながら作業精度を25%向上させた。

建設・インフラ分野でのXR活用が急拡大

BIM(建築情報モデリング)とARを組み合わせた現場作業支援システムが建設大手で採用され始めた。鹿島建設や大林組などがHoloLensを用いた施工管理システムを実工事に適用。設計図をリアルタイムで現場空間に重ね合わせることで施工ミスを大幅に削減している。ゼネコン各社のBIM活用率は2021年に急上昇し、国土交通省もBIM/CIM活用を原則化する方針を打ち出した。

Harryの着眼点

メタバースという言葉が一気に広まったが、産業界にとって重要なのは「バーチャル空間で本当に仕事ができるか」という実用性だ。Metaのコンシューマー向けメタバースよりも、マイクロソフトやエピックゲームズが推進する産業用プラットフォームの動向に注目したい。設計・訓練・保守の3領域でXRの実績が積み上がっており、日本の製造業も本腰を入れる時だ。

出典:Meta社名変更発表(2021年10月)、マイクロソフト「Microsoft Mesh」発表資料、ボーイング社AR訓練導入事例報告

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