第一世代のコボットは力制御で人間との接触時に停止するだけだったが、AIと高感度触覚センサーを統合した「コボット2.0」は、柔らかい素材のハンドリング・締め付けトルクの精密制御・力フィードバックによる組立精度向上を実現している。
触覚センサーが実現する「感じながら作業する」ロボット
高感度な触覚センサーをロボットハンドに組み込み、把持力と圧力をリアルタイムに制御できるようになった。柔らかいゴム部品の組付け・繊細なフレキシブル基板の扱い・力加減が必要なネジ締め品質管理など、これまでロボットが苦手としていた「感覚を要する作業」が可能になった。GelSight・Tactile Roboticsなどのスタートアップが革新的な触覚センサーを開発し、ファナックや安川電機がロボットへの統合を進めている。
AIが「力の使い方」を学ぶ——模倣学習でロボットの柔軟性が向上
熟練作業者の力加減をセンサーで記録し、AIが「どういう状況でどれだけの力で何をするか」を学習する「模倣学習(Imitation Learning)」が、コボットの汎用性向上に活用されている。人間がロボットアームを手で動かして作業を「直接教え」、AIがそのデータから力制御ポリシーを学習するため、複雑な作業のプログラミング不要での習得が可能になる。
Harryの着眼点
触覚と力覚を持つロボットは、製造業の「最後の砦」——繊細な手作業——に踏み込めるようになります。すし職人の技・外科医の精密さ・職人の感覚——これらが究極的にはロボットで再現できるという夢が現実に近づいています。日本の精密製造業が持つ超高精度加工へのニーズは、この触覚ロボット技術と親和性が高い分野です。
出典:GelSight Inc.「Tactile Sensor Technology Overview」2023年、ファナック株式会社「触覚フィードバックロボットシステム」2023年