メタバース×製造業——バーチャル工場見学とVR設計レビューが現実に

メタ(旧Facebook)が提唱したメタバースの概念が製造業にも波及している。VR空間での工場見学・設備設計レビュー・遠隔協働が実用段階に入り、新型コロナ禍で加速したリモートワークとの相性が良い。

製造業メタバースの先行事例——BMW・ボーイングのVR活用

BMWはNVIDIA Omniverse上に仮想工場を構築し、グローバルのエンジニアが同一VR空間で設計レビューを行っている。新型車のラインレイアウトを実際に工場を変更する前にVR空間で試行できるため、設計変更コストを大幅に削減した。ボーイングもVRを使った配線ハーネスの組み立て訓練で作業効率を25%向上させた実績がある。

日本でもメタバース工場が始動——日立・川重が先行

日立製作所はOmniverse上で水戸事業所の仮想工場を構築し、新人向け設備保守訓練に活用している。川崎重工業はVR上でロボット溶接のティーチング作業を行うシステムを開発し、危険な現場での習熟訓練を安全な仮想環境で実施できるようにした。日本政府もメタバースの産業活用に向けた研究会を設置し、標準化と普及を後押ししている。

Harryの着眼点

製造業のメタバース活用はSNSやゲームとは全く異なる本質的な価値があります。地球上のどこにいるエンジニアでも同じ「仮想工場」に集まり、リアルと寸分違わぬ設備を前にして設計議論ができる——これは国際分業が進む製造業にとって革命的なコラボレーション環境です。インターネットが情報共有を変えたように、メタバースは製造設計を変えると思います。

出典:NVIDIA「Omniverse for Manufacturing Report 2022」、川崎重工業「KHI Report 2022」

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