ソフトロボティクスが製造業に浸透——柔らかい手が繊細な組立・食品加工を変える

従来の金属製硬質アクチュエータによる産業ロボットが苦手とする「繊細・不定形・柔軟」な対象物への対応に、ソフトロボティクス技術が解決策をもたらしている。2024年、食品・医薬品・電子部品分野での実用化が急加速した。

ソフトロボット技術の製造現場への応用

空気圧または形状記憶合金を使ったソフトアクチュエータは、硬質ロボットが破損させてしまう柔らかい対象物を傷つけずに把持・移動できる。Boston Dynamicsのソフトグリッパー、Shadow Robot Companyの空気圧ソフトハンドが食品工場に採用されている。日本ではキユーピーがマヨネーズ製品の盛り付けに、明治がチョコレート菓子のパッキングに国産ソフトロボットを導入。人間の手の繊細さに近い把持を実現し、破損・廃棄率を70%削減した。

電子部品・半導体パッケージングへの応用

電子部品分野では、極小部品(0201サイズ、0.2mm×0.1mmチップ)の真空吸着ではなく、超精密ソフトグリッパーによる把持が実用化された。フォックスコン(Foxconn)はアップル向けiPhoneコンポーネント組立にソフトロボットを導入し、圧力センサーフィードバックで0.1N以下の力で精密部品をハンドリングする。村田製作所も積層セラミックコンデンサの製造でソフトロボティクスを採用し、微細なキズ不良を90%削減した。

Harryの着眼点

ソフトロボティクスは「ロボットが不得意な仕事」に光を当てる技術です。これまで「人間の手でなければできない」とされていた繊細な作業が、ソフトロボットで自動化できるようになっています。食品・医薬品・電子部品は日本の強みがある分野ですが、同時に人手不足が深刻な分野でもあります。ソフトロボティクスは日本の「強みの維持」と「人手不足の解消」を同時に実現できる鍵技術です。

出典:Shadow Robot Company「Soft Robotic Hand for Manufacturing」2024年 / キユーピー「ソフトロボット食品製造導入」プレスリリース2024年 / 村田製作所「ソフトロボティクス部品製造実績」2024年

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