ファナック・安川・川重の3強が「AI化」加速——日本産業ロボット大手の2024年戦略

世界の産業用ロボット市場で圧倒的なシェアを持つ日本3社(ファナック・安川電機・川崎重工)が、2024年にAI機能の大幅強化を相次いで発表した。人型ロボットや中国メーカーからの競争圧力に対して、「知能化」で差別化を図る戦略が鮮明だ。

ファナックのAI戦略——深層学習による自律ロボット

ファナックは2024年6月に「FANUC AI Series 2024」を発表した。深層強化学習により、新しい部品を見せると数十回の試行で把持方法を自律学習する機能が追加された。従来は部品ごとに専門エンジニアが数日かけてプログラムする必要があったが、AIが自律学習することで「段取り替えゼロ」に近い状態を実現。半導体・電子部品の組立ラインで先行導入が始まっている。

安川電機・川崎重工のAI化の方向性

安川電機は「YRM-X Controller」にAI異常検知機能を統合し、ロボット動作中の微細な振動パターンからギア摩耗を事前予測する機能を実装した。川崎重工は「Successor」(熟練技術者の動作をロボットに転写するシステム)にLLM連携を追加し、技術者の言語的な作業説明もロボット動作として学習可能にした。「見て学ぶ」に加えて「聞いて学ぶ」ロボットへの進化だ。

Harryの着眼点

日本の産業ロボット3強は「精度・信頼性」という既存の強みにAIを加えることで、中国の低価格ロボットとの差別化を図っています。この方向性は正しいと思います。製造現場が求めているのは「安く動く」ロボットではなく、「賢く動いて、自分で学ぶ」ロボットです。AI化されたロボットの「段取り替え時間削減」は、多品種少量生産を行う日本の中小製造業にとって計り知れない価値があります。

出典:ファナック「FANUC AI Series 2024」発表資料 / 安川電機「YRM-X Controller AI機能」プレスリリース2024年 / 川崎重工「Successor LLM連携」2024年

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