とかくインダストリー4.0を語るうえでよく聞く「ビッグデータ」について筆者が思うことを一つ。
欧米諸国では、生産活動において不良を無くしてより効率的に行うために、生産設備から吐き出されるありとあらゆる測定値・設定値・画像データをため込み、それらをうまく解析をしよう、という動きが過去より続いている。
それに対して、日本の製造現場はその思想についてきていないように思えます。
日本は製造現場でもハードウェアのパフォーマンスが重視されてきており、ソフトウェアやネットワークなど直接生産効率に直結しないものは軽視されてきていた傾向がある。
そのため、製造現場で出てくるありとあらゆるデータへの対処方法がわからないといった声が多く、「無駄な」データをため込むのではなく必要最小限のデータだけをテキストベース・CSVファイルで管理をするといった傾向が多々見られます。
つまり、効率よく最小限のデータ(ミニマムデータ)、最低限のシステム構成で運用するのが優秀なコスト削減。また多すぎるデータを見なくとも、データベースサーバーがダウンしてもモノづくりができるのが、いわゆる「自働化」である、という考えになってしまうのであろう。
データは多すぎると人を惑わすのは確かではあるが、いつでも必要なデータが取り出せるように高性能サーバーでデータベース化して解析をきちんと行えば宝の山になりうると筆者は思います。
ぜひ日本の製造業は、データのビッグバンを恐れることなく、PLCやPCベースのデータ収集でなく、高度なネットワーク・サーバーを活用した「ビッグデータ」を活用した、徹底的な品質管理と生産効率を追い求める道へと進んでほしいと思うものです。