溶接ロボットの自律化が進む——AIで溶接品質をリアルタイム判定・補正

製造ラインで最も熟練技能が要求される溶接作業において、AIがリアルタイムで溶接品質を判定し、電流・電圧・速度を自動補正する「自律型溶接ロボット」の導入が加速している。

溶接の「感覚」をAIで再現——熟練溶接工の技をデジタル化

熟練溶接工は微妙なスパーク音・光り具合・溶接池の形状から品質を判断して即座に手加減を変える。この「感覚」をセンサーで取得しAIで学習させることで、同等の判断・補正を自動化するシステムが川崎重工業・パナソニックコネクト・ダイヘンなどが開発・実用化している。溶接欠陥率の50〜80%削減を達成した事例が報告されており、後工程の検査コストも大幅に削減できる。

コボット溶接の普及——中小製造業でも自律溶接が可能に

これまで溶接ロボットは大型で高コストなため大企業専用とされてきたが、コボット(協働ロボット)をベースにした溶接システムの価格が500万〜1000万円台まで低下し、中小製造業でも導入できるようになった。Universal Robotsとパナソニックコネクトが共同開発したコボット溶接システム「TAWERS」は、ティーチングが直感的で現場技術者が自ら設定できる点が特徴だ。

Harryの着眼点

溶接は日本の製造業の誇る匠の技ですが、溶接工の高齢化と技能承継難が深刻です。AIによる溶接ロボットの自律化は、この問題を解決しながら品質安定性も向上させる「二重の価値」をもたらします。熟練工の技をAIに学ばせる期間に、本人たちの知識・経験を最大限に活かす仕組みを作ることが、技能伝承とAI移行を両立するポイントです。

出典:川崎重工業「溶接ロボットシステム事例集」2023年、パナソニックコネクト「TAWERS製品紹介」2023年

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