半導体工場の国内回帰——TSMC熊本工場稼働とラピダスの2027年量産計画が示す日本再生

2024年2月、TSMCの熊本第1工場が予定より早く稼働を開始した。経済産業省が主導した「半導体の国内生産回帰」政策が実を結び始め、ラピダスの北海道千歳工場建設も本格化している。日本の製造業における半導体調達の地殻変動が始まった。

TSMC熊本工場稼働が日本製造業に与える影響

TSMC熊本第1工場(JASM)は22nm〜28nmの半導体を月産5万5000枚生産する。ソニー、デンソー、トヨタが主要顧客として予定されており、車載半導体・イメージセンサーの安定供給が期待される。2023年の半導体不足で多くの日本自動車メーカーが生産調整を強いられた教訓から、「国内調達比率を高める」戦略の核心にJASMが位置する。2025年稼働予定の第2工場では6nm製造も検討されている。

ラピダス2nm計画と産業エコシステムの形成

ラピダス(Rapidus)は2027年の2nm半導体量産開始を目指し、北海道千歳市に工場建設を進めている。IBMとの技術提携でプロセス開発を進め、経産省から9200億円の補助金支援を受ける。製造業のDXに必要な高性能AI半導体を国内調達できる体制の構築は、日本の技術的自立の観点から戦略的重要性が高い。自動車・ロボット・IoT機器の次世代製品開発で国産半導体の活用が見込まれる。

Harryの着眼点

TSMC熊本工場の稼働は、単に半導体を国内製造するという話ではありません。その周辺に部品・材料・装置メーカーが集積し、エコシステムが形成される——九州がそういった産業集積地になる可能性を私は感じています。半導体は製造業の「米」であり、その安定供給体制の構築は日本のものづくりの根幹を守ることと同義です。

出典:経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」2024年 / TSMC熊本工場稼働プレスリリース2024年2月 / ラピダス「事業計画説明資料」2024年

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