2020年から続く車載半導体不足は2022年も収束せず、世界の自動車生産に甚大な影響を与え続けた。自動車メーカーが半導体の内製化・直接調達に乗り出す動きが加速している。
EVシフトで車載半導体需要が爆発的に増加
1台あたりの半導体搭載数はガソリン車の約400個に対し、EVでは約1000個以上に増加する。自動運転機能の追加でさらに増加が見込まれ、車載半導体市場は2030年に現在の3倍以上の10兆円超に達するとの予測がある。にもかかわらず自動車メーカーは長年、半導体を一次サプライヤー(ボッシュ・デンソーなど)経由で間接調達してきたため、供給不足への直接対応が難しかった。
トヨタ・ルノー・フォルクスワーゲンが半導体内製化戦略を発表
トヨタはルネサスエレクトロニクス・デンソーと連携した次世代車載半導体の共同開発を加速させ、Rapidusとの連携も視野に入れている。フォルクスワーゲンは子会社CARIAD経由で自動車専用チップの設計を内製化する方針を打ち出した。ルノーも2030年までに主要半導体の60%をグループ内で設計する計画を発表している。
Harryの着眼点
自動車産業が半導体産業に踏み込もうとしている——これは100年に一度の産業構造変革の象徴です。半導体の内製化は膨大な投資と高度な技術人材が必要で、全てのメーカーが実現できるわけではありません。日本の自動車産業にとっての現実的解は、デンソー・日立Astemoなどの日系サプライヤーと半導体メーカーの深い協業体制の構築だと思います。
出典:経済産業省「車載半導体の安定供給確保に向けた取組」2022年、日経ビジネス「半導体自動車争奪戦」特集2022年