2025年1月、人型ロボット(ヒューマノイド)の量産競争が新段階に入った。Figure AIのFigure 02、テスラのOptimus Gen3、ノルウェー発の1X Neoが相次いで量産体制を発表し、2025年は「ヒューマノイド元年」と呼べる年になりそうだ。
主要ヒューマノイドの能力比較と製造業への適性
Figure 02は初代より動作速度が30%向上し、BMW工場での部品組立で1時間あたり処理数がFigure 01比2倍を達成した。Tesla Optimus Gen3は手指の自由度と把持力が大幅に向上し、「ネジ締め」「精密部品の挿入」など製造業核心作業への適用が可能になった。1X Neoはソフトウェアアップデートで機能追加できる「ソフトウェア定義ロボット」として注目され、特定タスクに最適化されたAIモジュールを交換できる柔軟性が製造業での多用途展開を可能にする。
日本企業のヒューマノイド戦略と産業ロボットとの共存
本田技研の「ASIMO後継」開発が再起動、ソニーはCES 2025で産業向けヒューマノイドの概念機を発表した。川崎重工・ファナック・安川電機は「ヒューマノイドは産業ロボットを補完するものであり、競合ではない」との立場で、ヒューマノイドのキー部品(関節・アクチュエータ・センサー)の供給メーカーとして参入を検討中だ。国内の自動車・電機・食品製造業でヒューマノイドのPoC(概念実証)が2025年中に10件以上実施される見込みだ。
Harryの着眼点
ヒューマノイドロボットの工場投入は「技術的には可能、経済的にはまだ」という段階です。現状の量産価格は1台1000〜2000万円で、人間の雇用コスト(年収400万円の社員を5年雇うコスト)に近づきつつあります。2026〜2027年には500万円以下の量産モデルが登場する可能性があり、そうなると経済的にも合理的になります。日本の製造業はその日に備えてPoC・人材育成を今から始めるべきです。
出典:Figure AI「Figure 02 Production Update」2025年1月 / Tesla「Optimus Gen3 Technical Specifications」2025年 / 川崎重工「ヒューマノイド部品参入計画」2025年