工場内に専用の5Gネットワークを構築する「プライベート5G(ローカル5G)」が、大手製造業での本格導入フェーズに入った。超低遅延・大容量通信でAGVやロボット制御の精度が飛躍的に向上する。
プライベート5Gが解決する工場通信の課題
従来の工場内Wi-Fiは干渉・遅延・セキュリティの課題があり、ミッションクリティカルな制御システムへの適用が難しかった。プライベート5Gは遅延1ms以下・通信速度10Gbps超を実現し、数千台のIoTデバイスを同時接続できる。さらに通信を自社工場内に閉じることでセキュリティも担保できる。
パナソニック・トヨタ・日立が先行導入——実証から実用へ
パナソニックは滋賀工場でプライベート5Gを活用したAGV(無人搬送車)制御システムを本格稼働させ、物流効率を25%向上させたと発表した。トヨタもサプライヤー工場との品質データ連携にローカル5Gを活用する実証を開始している。日立製作所は国内外の工場でプライベート5G基盤を整備中で、2024年度までに主要拠点への展開を完了させる計画だ。
Harryの着眼点
プライベート5Gはスマートファクトリーの「神経系」になる技術だと思います。有線LAN配線の制約から解放されることで、工場レイアウトを動的に変更できる柔軟な生産システムが実現します。導入コストはまだ高いですが、Wi-Fi 6と比較した際の安定性・低遅延の優位性は明確で、精密機器・自動車工場での採用は急速に広がるでしょう。
出典:総務省「ローカル5G導入ガイドライン」2022年版、パナソニック株式会社プレスリリース2022年