カーボンニュートラル・人権デューデリジェンス・サーキュラーエコノミーへの対応が製造業に求められる中、ESG(環境・社会・ガバナンス)データを一元管理するプラットフォームの導入が急増している。製造DXとサステナビリティが融合しつつある。
ESGデータ管理の複雑性——どのデータをどう収集・開示するか
製造業のESGデータは環境(CO2排出量・エネルギー消費・廃棄物)・社会(労働安全・ダイバーシティ・サプライチェーン人権)・ガバナンス(コンプライアンス・役員構成)と多岐にわたる。さらにGRI・SASB・TCFDなど開示フレームワークが複数あり、整合させながら収集・管理・報告するための専用ソフトウェアが必要となっている。
SAP・Salesforce・専門ベンダーがESGデータプラットフォーム市場を争奪
SAPは「SAP Sustainability Control Tower」でERP内のデータとサプライチェーン全体のCO2を一元管理できるプラットフォームを提供する。Salesforceも「Net Zero Cloud」を展開し、大手製造業での採用が進んでいる。ESGに特化したベンダーとしてEnablon・Workiva・Spheraが製造業向けのSaaSを急速に普及させている。日本でも住友商事・三菱電機・パナソニックが先進的なESGデータ管理体制を構築している。
Harryの着眼点
ESGは「コスト」ではなく「競争力の源泉」になってきました。欧米の大手製造業がサプライヤーにESGデータの開示を求めるようになり、対応できない企業はサプライチェーンから排除されるリスクがあります。製造DXとESGを別々のプロジェクトとして進めるのではなく、同一のデータ基盤の上で統合的に推進することが、投資効率を最大化する賢明な戦略です。
出典:SAP「Sustainability Control Tower Overview」2023年、GRI「Global Sustainability Standards Board Update」2023年