自動車産業のEV転換でサプライチェーンが激変——エンジン部品メーカーの生き残り戦略

電気自動車(EV)へのシフトは自動車部品サプライヤーの産業構造を根本から変えている。エンジン・トランスミッション部品メーカーはEVには不要となり、モーター・バッテリー・パワーエレクトロニクスに特化した新たなサプライヤー群が台頭している。

EVでなくなる部品と新たに必要になる部品

内燃エンジン車には約2万点の部品が使われるが、EVではエンジン・トランスミッション・マフラーなどが不要となり約1万点に削減される。一方でモーター・インバーター・バッテリー管理システム(BMS)・充電システムなどEV特有の部品が必要になる。日本の自動車部品メーカーの多くはエンジン関連部品への依存度が高く、EV化の波に乗り遅れると事業の存続が危ぶまれる。

自動車部品メーカーの転換戦略——デンソー・アイシンの事例

デンソーはエンジン部品への依存度を下げ、電動化部品(パワーエレクトロニクス・バッテリー熱マネジメント)や自動運転向けセンサー・ECUへの資源シフトを進めている。アイシンはEV向け電動駆動ユニット(eAxle)の量産体制を整え、2030年に売上の50%をEV関連部品とする計画を発表した。中小のエンジン部品メーカーは、医療機器・航空・半導体製造装置など他産業への転換も視野に入れた生き残り戦略が求められている。

Harryの着眼点

自動車産業のEV転換は製造業の構造変革の最大の事例です。1950年代から続いたエンジン部品サプライチェーンが20〜30年で根本から変わる。この速度に追随できる企業が生き残り、乗り遅れた企業は淘汰される——厳しいですが、これが技術革新の本質です。政府や業界団体による中小サプライヤーへのきめ細かな支援が急務だと思います。

出典:経済産業省「自動車産業戦略」2022年改訂版、デンソー「2025中期経営計画」2023年

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