製造業の競争力を左右する物流倉庫の自動化が、2024年に新たなステージに入った。照明も不要な完全自動化倉庫「ダークウェアハウス」がアジアで拡大しており、日本の製造業のサプライチェーンを変えようとしている。
ダークウェアハウスの技術と経済性
ダークウェアハウス(暗闇倉庫)とは、人間が作業しないためAM(自律移動ロボット)・ピッキングロボット・コンベアシステムが照明なしで24時間稼働する完全自動化倉庫だ。Amazon Roboticsの最新倉庫はロボット密度が従来の3倍で、ピッキング速度は人間の4倍、ミス率は0.01%以下。日本では日本郵便の新東京倉庫、佐川急便の大阪ターミナルが部分的なダークウェアハウス化を実現しており、人件費を70%削減している。
製造業サプライチェーンへの統合効果
製造業にとって物流倉庫の自動化は「生産ライン最適化」と一体化することで最大の効果を発揮する。キャノン(大分工場)は工場内物流倉庫を完全自動化し、製造ラインからの材料需要をリアルタイムに把握して自動補充するシステムを構築した。材料待ちによる生産ラインの停止が年間2000時間から200時間に削減され、生産効率が12%向上した。パナソニックは2025年中にすべての主要工場の構内倉庫をAMR統合自動化倉庫に移行する計画を発表している。
Harryの着眼点
ダークウェアハウスは「人手不足」と「物流コスト上昇」という製造業の二重苦への回答です。工場の生産効率がいくら高くても、物流が非効率では競争力を持てません。製造業における物流の自動化は「物流の問題」ではなく「ものづくり全体の問題」として捉える必要があります。投資対効果は明確であり、早く動いた企業が次の10年の競争力を獲得するでしょう。
出典:Amazon Robotics「Fulfillment Center Technology 2024」/ キャノン「大分工場物流自動化」事例2024年 / パナソニック「構内物流AMR化計画」プレスリリース2024年