設計自動化の新潮流——生成的設計(ジェネラティブデザイン)とAIが部品を進化させる

設計エンジニアが与えた条件(荷重・材料・製造制約)をもとにAIが最適形状を自動生成する「生成的設計(Generative Design)」が、航空宇宙・自動車部品の軽量化と強度向上を同時に実現している。

ジェネラティブデザインが設計の概念を変える

Autodesk Fusionの生成的設計機能は、エンジニアが荷重条件・固定点・禁止領域・使用材料を設定するだけで、数百通りの最適形状候補を自動生成する。人間のエンジニアでは思いつかないような有機的・骨格的な形状が生成されることも多く、航空機フレームの軽量化では従来比40%の重量削減を達成した事例もある。3Dプリンティングとの組み合わせで、複雑形状の製造も可能になっている。

トポロジー最適化から量子コンピューティングへの展開

生成的設計の数学的基盤はトポロジー最適化で、材料の使用を最小限にしつつ強度要件を満たす形状を導く。従来のHPC(高性能コンピューター)では計算に時間がかかっていた大規模最適化問題に、量子コンピューティングを適用する研究も始まっている。BMW・Airbus・GEなどの大手メーカーが本格採用しており、日本でも三菱重工が航空部品への適用を進めている。

Harryの着眼点

ジェネラティブデザインは「設計をAIに任せる」のではなく「AIと人間のコラボレーション」です。何百通りの候補の中から最終形を選び、製造制約や美的要件を考慮して決定するのは人間の仕事です。このHuman-in-the-loop設計プロセスが、より良い製品をより速く生み出す新しい設計文化を育てています。

出典:Autodesk「Generative Design in Manufacturing Report 2022」、三菱重工業技術報告Vol.59 2022年

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