製造ラインにおける品質管理の要、外観検査にAIが急速に普及している。深層学習(ディープラーニング)ベースの画像認識技術は、熟練検査員の目視検査を超える精度と速度を実現しつつある。
深層学習が変える品質管理の常識
従来の機械式検査装置では検出困難だった微細なキズ・汚れ・形状異常を、AIカメラシステムは0.1mm以下の精度で識別できる。キーエンス、オムロン、ファナックなどが産業用AIビジョンシステムを相次ぎ市場投入している。
導入事例:自動車部品メーカーの実績
トヨタ系の一次サプライヤーでは、AIによるエンジン部品の外観検査導入後、検査工程の人員を60%削減しつつ、不良品流出ゼロを3ヶ月連続達成した事例が報告されている。学習データは現場の熟練工がラベリングしたもので、暗黙知のデジタル化にも成功した。
Harryの着眼点
「AIが人間の目を超えた」という表現が一人歩きしがちだが、重要なのは「どの条件下で」という文脈だ。照明・角度・材質が一定な量産ラインでは確かに圧倒的だが、多品種少量生産や屋外作業には課題も残る。現場の条件整備とセットで導入を検討することが成功の鍵だ。
出典:日本機械学会「製造業における画像認識AI活用動向」(2020年)