5G SA(スタンドアローン)が製造業IoTの限界を突破——遅延1ms以下でリアルタイム制御が可能に

2024年2月、NTTドコモとKDDIが5G SA(スタンドアローン)の産業向けサービスを本格展開した。5G NSA(非スタンドアローン)と異なり、コア網が完全5G化された真の5Gにより、製造業のIoT活用が新段階に入る。

5G SAが製造業に解放する新能力

5G SAの核心はネットワークスライシングとULLC(超低遅延・超高信頼)通信だ。従来のWi-Fiや5G NSAでは実現困難だった「遅延1ms以下」「パケットロス0.00001%以下」の通信が可能になり、機械制御のリアルタイム性が飛躍的に向上する。デンソーの先進製造技術センターでは5G SAの自営網を構築し、200台のAGV(無人搬送車)をリアルタイム制御することに成功。これまで有線LANが必要だった精密制御がワイヤレスで可能になった。

プライベート5Gの普及と中小製造業への展開

大企業工場での5G SA導入コストは年間数千万〜数億円規模だが、ローカル5G(自社敷地内の5G基地局設置)の規制緩和と機器コスト低下により、2024年中に中規模製造業(従業員500人未満)でも採算が合う水準になりつつある。富士通とNECが中小製造業向け「工場5Gパッケージ」を共同開発し、初期投資500万円以下でのプライベート5G構築を可能にした。

Harryの着眼点

5G SAの「1ms遅延」は数字として見ると小さいですが、製造業への影響は大きい。有線LANでしか実現できなかった精密機器制御がワイヤレスになることで、工場レイアウトの柔軟性が劇的に向上します。有線ケーブルは「工場の制約の象徴」でした。5G SAはその制約を解放し、製造ラインの再構成コストを大幅に下げる可能性があります。

出典:NTTドコモ「5Gスタンドアローン産業向けサービス開始」プレスリリース2024年2月 / デンソー「5G活用先進製造技術センター」2024年

コメントを残す